2016/07/20

心理学と倫理 (やや心理学初心者向け)



科学の進歩のためなら!
多少の犠牲を厭わないなどというセリフは

社会で通じない世の中ですよね。

特に心理学なんかは
人間を対象として実験や調査を行っていますから

そこにはモロに倫理的な問題が
ぶち当たってきます

大学などの研究機関では
急ピッチで研究倫理や研究手続きを審査するための
機関の整備が急ピッチで進められています。

人間を対象に行うためには

1 協力者の生命の確保、身体の安全
2 人権の尊重
3 研究意図、手続きの説明と同意
4 自由意思の尊重
5 不快を与えない
6 プライバシー保護
7 知りえた情報の厳重管理

以上が必要になります。

以前は被験者と呼ばれていたのが
協力者と呼ばれるようになってきたのは
まさに2番が影響しているからなんです。

3番について、手続きと言うのは基本的に
どのような方法で実験を行うのか
ということです
社会心理学では予見を持たせないように
あえて実験の意図を伏せることもあるが
後にデブリーフィングが必要です

実験内容を説明した上で
協力の有無は
協力者の自由意思で決定されます

また5番については
ミルグラムという心理学者が
心理学では有名な
服従実験を行いました。

(最下に内容のリンク貼っておきます)

「権力への服従」という人間心理を明らかにしたことで
有名になった実験ですが
協力者への耐え難い心理的苦痛を与えたという
点で現在の倫理基準に照らし合わせると
認めがたい面がありますね。

最後に
6,7番
各機関で定められた基準で行うのは
大前提なのですが
さらには国家公務員法に基づく守秘義務尊守
個人情報保護法に基づく情報管理

などなど
国の法律に基づいた責務が課せられています


心理学の実験や調査には守るべき点が盛りだくさんなのです
そのために研究倫理を熟知したうえで
その尊種に勤めましょう。



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