2016/07/05

記憶のしくみ

人はどのようにして
忘れていくのか


下に乗せたグラフは
人かいかに物を忘れるかを
客観的に明らかにしようとした
ドイツの心理学者エビングハウスが作った
エビングハウスの忘却曲線である














彼は学習したことが直後からは急速に忘却が始まるが
その後は緩やかになることを発見した

人の忘却は当初
脳に残された記憶の痕跡がそれを
使用しないでいると、時間経過に伴い減退する
と、いう風に考えられていたのだが、、

学習の後に睡眠をとることで
直後よりも一定期間経過後のほうが
成績が良くなる場合もあるのだ(レミニセンス)

このように人の記憶は
複雑な要因の元で
整理され
想起されたり
何かの手がかりで思い出したり
しているのだ

また、何かを学習する際に
既存の知識と結びつくことで
それと矛盾が起きないように整理
されることもある
例えば
見慣れない単語が入った物語を
暗記してもらう場合
見慣れない言葉をなじみある言葉で
記憶していく(記憶の変容)

記憶の変容は
また事故や犯罪の目撃者においても
観察される

例えば
事故の映像を見せた後に
自動車が何キロぐらいでで激突していましたか?
という質問と
激突をぶつかってに変えた質問をすると

激突を使った方が後者よりも
答えたスピードが速かった
さらに、実際割れていない窓ガラスを
前者は割れたと回答する割合が高かったのだ

このように質問内容によっても
人の記憶は変容することが
数々の実験で確認されている
そのため目撃者から正確な情報を引き出すための
面接技法も研究されている(認知的面接法)

記憶についての研究は
百年以上の歴史をもつ
心理学の世界では今も中心的に
研究が行なわれている

今回紹介したように
何か思い出すとき、記憶を頼りにするときは
記憶は常に能動的なものとして
変容が起きているのだということに留意
することが大切です


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